End roll with you(2013.5.18)

2013年

UNDER THE COUNTER 解散ライブ後に書いたFCブログの記事を若干修正、再掲

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このひっそりと更新を続けてたFC2ブログで、
UTC=UNDER THE COUNTER について最後に触れたのが
2010年1月


いまが2013年5月
約3年の間にいろんなことが変わった

大学生になった
携帯はiPhoneになった
一人でどこへでも行けるようになった


一人でどこへでも行けるようになったから、
UTCの解散ライブを観るために一人で東京行ってきた

 

このブログにもUTCのことは何度か書いていた
今になって見返してみたら結構辛辣な言葉ばかり綴ってますねごめんなさい
新譜微妙だの解散するんじゃないかだのね

本当に好きなバンドで
高校の教科書やノートの余白は
授業中に書いたUTCの歌詞で溢れていた
それだけ毎日頭の中はUTCでいっぱいだった

ちょっと皮肉っぽくて
いやらしくて(変な意味でなく)
これ絶対この人にしか書けない!っていう
韻の踏み方や言葉遊びが
当時の自分にはすごく響いた

それだけに作風が変わって行くのについていけなくて
もう出会った当初のような気持ちでは聴いていられないな、
なんて思ってた

だから実質、2010年から今までっていうのは、
UTCから離れていた空白の3年間だった

でも彼らは何かと波乱万丈で、
ずーっとぐらぐらぐらぐらしてるもんだから
なんだかんだで動向は気になるし、心配だったんだ

そんな中、関谷さんのツイッターで知った「解散」の報せ
4月くらいだっただろうか

最初にそれを聞いた時の感想が、
「ああ、ついに」だった
だんだんとUTCは東京中心の活動になって、
札幌在住の自分にとって疎遠になって
なんていうか、
かろうじて残っていたのがぷつんと消えた感じ

でも「ふーん、解散かあ、そっかあ」
で終わらなかったのはきっと
自分の中に、UTCの音楽が占めてきた部分が少なからず存在したから

離れていた時期でも
なんだかんだでいつも心の隅っこに置いてあった

だから、自分自身ここで区切りをつけるためにも
ライブに行こう、見納めようって思った
場所が東京だからさすがに決断には迷ったけど
前の年に一人で福岡行ってこれたし絶対大丈夫だって思った
そしてこのライブに行かないと一生後悔するんだって考えたら
もう「行く」以外の選択肢はなかった

そう決断して、早くe+でチケット買わなきゃ、でもログインパスワード家に帰らなきゃ分からなかったので
売り切れるな売り切れるなって祈りながら帰り道を自転車で爆走した
雪融けたばっかりの時期なのに汗だくになった
本当に後悔するのだけは嫌だったから

そして無事にチケット取ったけど、本当に行く実感はなかった
初めて一人で行く東京、飛行機とホテルと交通機関もろもろのことばかりに気が傾いて
「あれ?何しに行くんだっけ…」なんて本来の目的を忘れかけた日もあったし
でもきっとそれは
「たかだか2,3時間のライブのためだけに飛行機代かけてまで東京行っちゃう自分」が
どっかで信じられなかったんだと思う
なんで自分がここまでお金と時間をかけられるのか、必死になれるのか
UTCは自分にとってこんなにも存在が大きいバンドだったのか、と


んで、そのいまいち実感がわかない状態ってのは
東京着いてホテルを出るまで続いてた


渋谷のスクランブル交差点で人酔いしながらも無事に渋谷屋根裏へ到着

渋谷屋根裏はUTCのホームなんだって

開演待ってるときに近くにいた人(関係者か何かかな)が
「こんなに人で埋まってる屋根裏は久々だなあ」って言ってた
たしかに会場は人でいっぱいだった
今までUTCのライブ観たことなかったけど、こんなに埋まるものなんだと思った
自分みたいに、最後だからと遠方から来た人もいるんだろう


一発目はアイワナ

本当にうれしかった
私の知っているUTCだった

知っている部分もあれば知らない部分もあるから

これがよく言う「万感の思い」ってやつなのか、すごくいろんなこと思った

演奏されたすべての曲が
来たるべきこの日のために生まれてきた曲
なんじゃないかって思った
(決して解散ありきとか悪い意味ではなく
今日演奏されるだけの必然性があったっていうこと)

彼らが言わんとしていること、11年分の思いは全部彼らの曲が伝えてくれた

それだけ、一つ一つの言葉に重みがあった


印象的だったのが
Teenage Wasteland
たぶん前置きのせいもあるんだろうけど

バンドが解散することに対して、
誰しもみんな後ろ向きな気持ちにはなると思う
だってバンドで一花咲かせたいって思いで
東京出てきたり、必死に音楽作ったり、
ライブやったりしてるはず
だけど本当に一花咲かせられるバンドって
その中の一掴みくらいしかいなくて
一度も日の目を見ないバンドだって山ほどいる

東京に出てきて、「俺はやってやるんだ!」
っていう尖った情熱は満ち溢れてて
だけど現実は思い通りに行かなくて
尖ってたのもだんだん丸くなってきてって
当人たちが一番悔しいに決まってんじゃん

だけどUTCは6年前と何も変わっちゃいなくて
青春というはしかにかかったままで

はしかって
ガーーーッと症状出てきて
スッと引いておく一度きりのものだけど

今でもその一度きりの青春を絶やしていない彼らがとても愛おしかった
ちなみにこの曲で初めて「ライブで泣く」という経験をしてしまった

あとミソラはまさにこの最後のライブを象徴した曲だったなあ

「ライブは生き物だ」って色んなバンドの人が言う
何が起こるかはその時にならないと分からないし
一度やったものを再現するのは不可能、
同じライブは二度と出来ないという意味


「またと無い色を焼き付けろ」

「訳もなく涙がこぼれ落ちた
スロウモーションで揺れる風景を
このままずっと見ていたいだけさ
けどそれはできそうにないよ」

特に後者


スロウモーションで揺れる風景っていうのは
ライブ空間のことで

幸せな時間って、ずっと続けばいいなって思ってもそんなことはあり得なくて
いつか終わってしまうんだという切なさが
なんとも言えず聴いてて苦しくなった

ちなみに帰りの飛行機でこの曲聴いて、
初めて 「飛行機の中で(人知れず)泣く」という経験もできました

関谷さんはライブ中
曲と曲の間に何度も「幸せになれよ」って言ってた

きっと、11年のバンド活動の中じゃ
幸せだったことよりも辛かったことの方が多かったんだろうな
だからあそこまで強く人の幸せを願えるんだろうな


この喩えが合ってるかわかんないけど
泥の中に隠れてる砂金を掘り出すようなものなんですかね
砂金っていう僅かな希望を見つけるために泥の中を必死で掻き回す、そんなバンドだったのかなー
(※イメージです)


ライブから早一週間が経ったけど、自分の中では今だに切り替えができていなくてUTCの曲しか聴けていない


ライブ後に買った「pepar moon」を聴いた

もうこれからは作風云々とかじゃなくて、
彼らが生み出す音楽を全て受け入れられるような気がした
UNDER THE COUNTER というバンドを全部愛せるような気がした
悲しいけど最後の音源がこのpaper moonで良かった

彼らはたくさんの
「曲」という名の手紙を私に投げてきていた


吉村さんもブログで書いてたけど
バンドが解散しても、曲は永遠に残るし
将来、CDを再生できる機械が無くなったとしても
頭の中で再生できる限りその曲は無くならない


そしてその曲の存在がある限り、それを歌っていたバンドの存在も無くならない

だから決して
「終わり」なんかじゃないんだなあ

なんだかもう上手くまとまらなくなったけど
出会えたことに感謝だな


彼らとの出会いは約7年前、中3の時
JAPAN COUNTDOWNでGREAT GREENのPVを見て一目惚れしたところから始まった
このボーカルのおにいさんなまらかっけえ、
そんな感じだったはず(単純)


パンダのアルバムを買って
高校の仮入学前日にひたすら聴いていた

ノー・セラピーはMDにも入ってるなあ
あの頃はまだメモリ式のウォークマンなんて
持ってなかったから


高校入学して最初の夏、
体調を崩してずっと微熱が下がらなくて部活もずっと休んだ
くそ暑い、砂漠みたいな夏だった
その頃発売されたPARMANENT VACATIONの2曲目
禁じられた遊び」のあのどろどろしたイントロは
あの夏の空気によく合っていた
(今でもこれ聴いたらなんか蒸し暑くなる)


なんか友達付き合いとかめんどくさーって思ってた時期、
「自由に飛べるのは ひとりぼっちだから」って歌詞がやたら心に引っかかった


モダンライフを聴いてなぜか思い出すのは
冬の朝練に向かうバスを待つ時間

Eを聴いて思い出すのは真っ暗な中を走る冬の部活帰りのバス
あれは夜空の星の歌、
聴いてると冬の澄んだ空気と夜空が浮かぶ

 

全っ然理解できなくて退屈だった化学と数1、
教科書とノートの余白にratの歌詞を書きなぐった


自分が高校生の時まさに全盛期だった前略プロフとモバゲー
UTCつながりで、石川県の子と仲良くなったりもした

思い出せばキリが無いんですね
まさか7年後に最後のライブを見届けに東京まで行くとは本当に誰が予想したことか

でも、心の底から行って良かった後悔は何一つ無い

UTCに関する後悔、一つだけ言うならば
DON'T LOOK BACKが出た時に
あーなんか違う!っていって距離を置いてしまったこと

 

ライブ終わって改めてちゃんと聴いて、
やっとあのアルバムを受け入れられた、良さに気付けた
ちょっと遅すぎたかもしれないけど

「薬指と小指」の関谷さんめっちゃ女々しい!
こういう歌詞も書くのか彼は!かわいいぞ!
ブラフガールとジラフボーイってばっちり韻踏んどるがな!
郵便ポストにマヨネーズとかめっちゃロックじゃないか!
って感じで、変化も前向きに捉える事ができるようになった


もう彼らが新曲を出す事はないけど
今あるたくさんの曲たちと
これから末永くお付き合いしていきたい
改めてよろしくって感じで


メンバーが脱退しようが、
レーベルが変わろうが、
私がUNDER THE COUNTERというバンドに魅せられ、
彼らの曲からたくさんのメッセージを受け取った
っていう事実はこの先も変わらない

 

彼らの言葉を借りるなら

 


ありがとう
アイラブユー